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きれいな着方のコツは? よく聞かれる質問です。
美しい着付けのコツは、

(1) 体型にあった長襦袢と着物を着る
(2)補正と紐類を、少しでも減らす
(3) 立ち居振る舞いを習得する

今日はまず、着物寸法についてお話しさせていただきます。
着物寸法を出すにあたっては、和裁士や着物担当者の技量がとても重要です。
丸みのある身体の上から寸法を測っていく訳ですから、5㎜~3cm程のくるいは生じてきます。
また、その方の体型によるゆがみなどによっても、左右の(特に裄)寸法が大きく変ります。
お仕事や趣味でヴァイオリンやテニスなどをなさっている方などは、左右で1~2㎝程度の差があることもあります。
基本の寸法は、割り出し表から身巾、裄、前巾、後ろ巾を出していくことが主流です。身長、バスト、ヒップが分かれば、この割り出し表から平均的な寸法を出すことができます。その他、くりこしや抱き巾、合褄巾、衽巾は、茶道をなさっているかどうかや、体型の特徴によって少しずつ変化していきます。

完全な寸法出しはとても難しいのですが、以下の方法があります。
(1)和裁士で、寸法出しの経験豊富な人が測る
(2) 仮縫いをして微調整していく(特にコート丈など)
(3)寸法を測った上で、ご自身の着やすい着物を着用していただき、そこからもう一度寸法を割り出していく
上記の中でも③の方法が、一番ご自身の身体にあった着物をつくることができます。

あっ、そうそう。裄の割振りも、とても重要です。裄は、肩幅と袖巾で構成されているので、裄が65㎝だとしても、肩幅が30㎝なのか38cmなのかによって袖巾も変わってきます。たとえば社長の森などは、背中のしわを少なくするために袖巾を多く取り肩幅を狭くしています。花柳界の女性群も、常着は森と同じ方法の割り出しとのことです。(次回に続く)

監修:森荷葉