インド更紗の影響を受けてジャワ島及びスマトラ島で生まれたのが
ろうけつ染めの技法によって精緻な文様を描いた
インドネシア更紗「バティック」です。
インドネシアのバティックは11世紀あるいは遅くとも
12世紀にはじまっていたと考えられます。
手描き用のチャンチン(※1)や量産用の型であるチャップ(※2)を用いて
蝋を置いていき染色していくバティックですが、
使用する色数によってはその工程は多岐にわたります。
文様の細密なものになるとチャップも二十数種類を使い分けるなど
完成するまでに長い時間と非常に高い技術を要します。
精密な線が作り出す多彩なデザインは
「万華鏡」の世界を思い起こさせ
世界各国に多くの愛好家やコレクターが存在しています。
また、豊かなデザインやモチーフは、
長い歴史の影響を色濃く感じさせてくれます。
バティックに描かれている数々の文様は
インドネシアに生息する植物・動物・爬虫類・草花等、
生活の中のごく身近な文様を造形的に表現したもので
インドネシアの民族衣装として幅広く用いられています。
技法の違いもご覧ください。
ぜひご予定くださいませ。
ジャワ更紗とチャンチン展
10/7(木)~10/10(日)
※1 チャンチン
銅製の小壺に把手のついた、蝋を入れて線描きする道具
※2 チャップ
版画のように、溶かした蝋にひたし布面に蝋を置く銅でできた型